【9月30日 AFP】米ラスベガス(Las Vegas)で27年前に米ラッパー、2パック(2Pac)ことトゥパック・シャクール(Tupac Shakur)さん(当時25)がギャングの抗争に巻き込まれて射殺された事件で、当局は29日、「キーフィー・D(Keffe D)」の異名で知られるドゥエイン・デービス(Duane Davis)容疑者(60)を殺人容疑で逮捕・起訴した。

 デービス容疑者は以前から事件への関与を認めており、自身のおいを暴行した報復として、2パックさんとヒップホップのレーベル「デス・ロウ・レコード(Death Row Records)」の社長を殺害する「現場指揮官」を務めたと自慢していた。

 検察によると、2パックさんらは事件が起こった1996年9月7日、マイク・タイソン(Mike Tyson)さんのボクシングの試合を観戦するためにラスベガスを訪れていた。

 その際、ホテルのエレベーターホールで、デス・ロウ・レコードと関係するギャングと敵対関係にあったギャングのメンバーを暴行したとされる。メンバーはデービス容疑者のおいで、同容疑者は2パックさんらに報復する計画を立てた。

 検察は、捜査当局は事件の全容をほぼ解明していたが、起訴に進める十分な証拠がそろっていなかったとしている。

 しかし、事件当夜、2パックさんらが乗っていた車を銃撃した車に同乗していた中で唯一の生存者とされるデービス容疑者が自伝を出版し、テレビ番組で事件について語ったことから潮目が変わったという。同容疑者は2パックさんらを殺害する現場指揮官だったと認めた。

 審理は来週行われる。(c)AFP/Huw GRIFFITH