【9月27日 CNS】「インテリジェント」は、中国・杭州市(Hangzhou)で開催される第19回アジア競技大会(杭州アジア大会、19th Asian Games)の理念の一つとして、大会の準備のあらゆる面で貫徹されている。5G、モノのインターネット(IoT)、ビッグデータ、人工知能(AI)など、近年の中国がリードするテクノロジーは、杭州アジア競技大会でも広く活用される。

 浙江省(Zhejiang)杭州市は、中国の「インターネットの都」「5G第一都市」と呼ばれている。5G技術を活用した大型移動式救急蘇生ユニットが、初めて大会中に使用され、選手と観客の生命を守る。

 改造されたバスと5G救急車からなる同ユニットには、患者監視装置やECMO(エクモ、体外式膜型人工肺)、移動型デジタルX線装置などの設備が配置されている。管理責任者は車内で後方支援病院と連絡を取り、患者のバイタルサイン、車両の現在位置、運行状況などの情報を一元化して表示させることができる。

 また、杭州アジア競技大会組織委員会は、大規模国際総合競技大会で初めてワンストップデジタル観戦サービスプラットフォーム、「智能亜運一站通(Smart Hangzhou 2022)」という支付宝(アリペイ、Alipay)のミニアプリを導入した。同ミニアプリは、ビッグデータやブロックチェーンなどの技術を活用し、観客にチケット購入や移動、観戦、宿泊、食事、観光などのワンストップサービスを提供できる。

 新エネルギー車(NEV)と自動運転技術も杭州アジア競技大会で活用されている。最近、2000台以上の新エネルギー自動車が、アジア競技大会とアジアパラ競技大会の公式サービス車両として投入された。組織委員会の公式発表によれば、すべての車両は衛星を通じ、アジア競技大会交通指揮センターの大画面表示システムとつながり、地図上にリアルタイムで正確に表示され、正確な管理とスケジューリングが可能になる。

 また、協力側の紹興野球未来コミュニティーでは、浙江省初の自動運転バス専用ルートが恒常的な運行に入った。この自動運転ミニバスは、L4レベルの自動運転技術、AIと5Gネットワークを活用し、車線変更、自動回避などの機能の搭載が可能になる。これらのバスは、野球とソフトボールの選手や観客に迅速な乗り継ぎサービスを提供する。

 インテリジェント技術の応用は、会場の外のみならず、会場内でも大いに活用されている。アジア競技大会馬術センターでは、「アジア競技大会馬術インテリジェントシステム」によって、馬に関する全方位のデジタルファイルを構築した。馬の健康状態、サンプリング検査、厩舎(きゅうしゃ)の害虫駆除状況、飼料・飼葉の在庫や用量などのデータがすべてデジタル化されている。

 「スマート」技術を加え、杭州は「サイバーシティ」に変貌し、アジア各地からの観客を待っている。(c)CNS/JCM/AFPBB News