【9月27日 AFP】リビア東部を実効支配する軍事組織「リビア国民軍(LNA)」のハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)司令官が26日、暫定政府との対立や洪水被害で混乱状態にある同国の情勢について協議するためロシアを訪問した。LNAが明らかにした。

 LNAによると、ハフタル氏はモスクワでユヌスベク・エフクロフ(Yunus-Bek Yevkurov)国防次官の出迎えを受けた。

 同次官はこれまでリビア東部を何度か訪れ、ハフタル氏と会談した経緯がある。直近では同国東部が大洪水に見舞われた数日後の17日にベンガジ(Benghazi)のLNA本部を訪れ、面会した。

 ロシアはここ数年、穀物輸出の拡大や武器供与、エネルギー分野での協力などを通じてアフリカにおける存在感を高めている。特に昨年2月のウクライナへの侵攻開始以降、国際社会で孤立化したこともアフリカへの関与拡大の背景となっている。

 暫定政府と対立するハフタル氏とも密接な関係を維持。同氏率いるLNAが2019年4月~20年6月に首都トリポリの制圧を目指して進軍した際には、民間軍事会社ワグネル(Wagner)の戦闘員が加勢した。

 20年の国連(UN)報告によると、当時LNAを支援したワグネル戦闘員は最大1200人に上る。専門家は、うち数百人が依然、リビアにとどまっているとみている。(c)AFP