【9月26日 AFP】スーダン医師連盟は25日、戦禍に見舞われている同国でデング熱や急性の水様性下痢の感染が拡大しており、「数百人が死亡した」とする報告書を公開した。「壊滅的な感染拡大」が発生し、大部分が破壊された医療システムをさらに圧迫する可能性があると警告している。

 医師連盟は、エチオピア国境近くの南東部ガダーレフ(Gedaref)州では、デング熱の患者が数千人に上り、衛生状態が「恐ろしい速さで悪化している」としている。

 ガダーレフ州は、正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」との戦闘の影響を直接的には受けていないが、多数の避難民が流入するなど人道危機に直面している。

 国連(UN)によると、戦闘開始から5か月以上が過ぎ、国内の病院の8割が機能していない。

 ガダーレフの病院の医療従事者は匿名を条件にAFPの取材に応じ、「病床は空きがないが、子どもを中心に患者が次々とくる」と述べた。入院患者よりも自宅療養している人がはるかに多いという。

 医療従事者や国連は戦禍のスーダンで、雨期とインフラの破壊により感染症が流行する恐れがあると繰り返し警告していた。

 このほか、北ダルフール(North Darfur)州の州都エルファシェル(El Fasher)の保健当局は、1週間で13人がマラリアに感染したとの報告を受けたとしている。

 首都ハルツームでは、東部ハジユセフ(Hajj Youssef)地区でコレラ感染が疑われる急性の水様性下痢で3人が死亡した。地元の感染症関連委員会が25日、明らかにした。(c)AFP