【9月26日 AFP】カナダで25日、同国籍を持つ著名シーク教指導者殺害事件へのインド政府の関与をめぐり、トロントのインド領事館前など各地で多数のシーク教徒が抗議デモを行った。デモ隊らはナレンドラ・モディ(Narendra Modi)印首相の顔写真を踏み付け、インド国旗を燃やした。この事件をめぐっては、両国の外交関係の溝が深まっている。

 トロント在住のシーク教徒、ジョー・ホタさんはシーク教徒の指導者ハルディープ・シン・ニジャール(Hardeep Singh Nijjar)氏が6月にバンクーバー(Vancouver)近郊で殺害された事件に言及し、「故郷の(インド北部)パンジャブ(Punjab)州では安全ではない、カナダでも安全ではない」と話した。

 同じくトロント在住のハーパー・ゴサルさんは市内の領事館前で「インド人はテロリストだ。バンクーバーでわれわれの兄弟を殺した。だからここで抗議している」と訴えた。

 参加者らは、一部のシーク教徒がパンジャブでの樹立を目指す独立国家「カリスタン」の黄色い旗を掲げていた。

 抗議デモはトロントのほか、オタワやバンクーバーでも行われた。

 カナダには、インド国外で最大のシーク教徒コミュニティーがあり、2021年時点で人口の2%に当たる77万人がシーク教を信仰している。

 殺害事件をめぐっては、インド政府はカナダ側の主張は「ばかばかしい」と一蹴し、関与を強く否定している。(c)AFP