【9月23日 AFP】ベネズエラで刑務所を支配していたギャングのボスと幹部が、当局による奪還作戦の1週間前に退所、出国していたことが分かった。受刑者の権利を擁護するNGO「ベネズエラ刑務所監視団(OVV)」が22日、明らかにした。

 トコロン(Tocoron)刑務所はギャング「トレンデアラグア(Tren de Aragua)」に国際犯罪活動の拠点として利用されており、当局は20日、兵士や警察官1万1000人以上を投入して奪還した。1年前から計画されていた同作戦について、幹部らは情報提供を受けたとみられる。

 OVVによれば、幹部らは当局と交渉して刑務所から退去し、1週間前に出国した。OVVは、逃亡先の国については言及せず、ボスのエクトル・ゲレロ・フローレス(Hector Guerrero Flores)受刑者と幹部らは「影も形もない」として、当局の「不透明さ」を非難した。

 残りの受刑者は他の刑事施設に移送され、刑務所内には誰も残っていない。

 レミヒオ・セバジョス(Remigio Ceballos)内相は21日、刑務所からの脱出用トンネルを発見したと明らかにしたが、脱走した人数には触れなかった。刑務官4人を受刑者と共謀した容疑で逮捕・訴追したという。

 OVVは「こうした刑務官らが大勢の協力なしにどうやってロケット砲などの武器を持ち込んだのかを詳しく知りたい」とコメントしている。(c)AFP