【9月22日 AFP】2014年ソチ冬季五輪のボブスレー女子2人乗りで銅メダルを獲得した米国のエイジャ・エバンス(Aja Evans)が、10年間にわたって性的虐待を受けていたとしてチーム医師らを相手取り訴訟を起こしたと、21日に複数の米メディアが伝えた。

 エバンスは20日に、ボブスレー米代表のチーム医師を務めるジョナサン・ウィルヘルム(Jonathan Wilhelm)氏とそのクリニックをはじめ、米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)や同国ボブスレー・スケルトン連盟(USABS)を提訴したと報じられた。

 現地紙タイムズ・ユニオンによると、エバンスは2012年から2022年まで米レークプラシッド(Lake Placid)にある五輪代表チームのトレーニング施設などで、ウィルヘルム氏から治療中に触られたり痴漢行為を受けたりしたほか、薄着で写真や動画を撮られたりしたと主張している。

 エバンスの代理人によれば、USOPCやUSABSはエバンスの訴えを取り合わず、保護する代わりに同選手を調査や降格の対象にしたという。

 エバンスは股関節を負傷して2012年に最初にウィルヘルム氏の治療を受けた際、私生活に関する不適切な質問をされたほか、性器の周辺を触られたとも話している。コーチや医療スタッフには訴えを無視されたが、仲間の選手たちは、ウィルヘルム氏はけがに関係なく「内転筋を触ってくる」と口を揃えているという。

 2012年から連盟に勤務して五輪選手らを治療しているとされるウィルヘルム氏は、疑惑を強く否定し、担当弁護士を通じて「根拠のない訴え」だと主張している。その一方で、米スポーツ専門チャンネルESPNによれば、米国セーフスポーツセンター(US Center for SafeSport)からも現在調査を受けている。(c)AFP