【9月21日 AFP】アフリカ南部ザンビアで、約47万6000年前につくられた世界最古の木造構造物が見つかった。化石人類がこれまで考えられていたよりも高度な知能を持っていた可能性があるという。

 論文は20日、科学誌「ネイチャー(Nature)」に掲載された。

 見つかったのは大きな丸太2本で、北部のタンザニアとの国境近くにある落差235メートルのカランボ(Kalambo)滝のすぐ上流の川辺で出土した

 現生人類ホモサピエンスが出現するはるか前の少なくとも47万6000年前につくられたものだが、保存状態は極めて良いという。

 丸太には、これを組み合わせるために石器で付けられた切り込みがあった。ぬれないように作られた足場か通路、水上家屋の一部だったと考えられる。

 木で作られたくさびや穴を掘る道具なども周辺から見つかった。

 当時の人類の祖先は木を利用していたことは知られていたが、火をおこすときや狩猟など、用途は限られていたと考えられていた。

 英リバプール大学(University of Liverpool)の考古学者で論文の筆頭執筆者であるラリー・バーラム(Larry Barham)氏はAFPに、知る限りでは、これまで発見された最古の木造構造物は約9000年前のものだったと述べた。

 バーラム氏によると、今回発見された構造物は2019年にカランボ川の河原で発掘している際に「偶然」発見された。

 木は腐敗して痕跡が残りにくいため、これほど古い木材の発見は珍しい。

 川の水位が高かったため、何万年にもわたり保存されていたと考えられる。

 バーラム氏によると、この地域では70万~20万年前に生存していたとされる「ホモハイデルベルゲンシス」の化石が見つかっている。木造構造物の発見で、ホモハイデルベルゲンシスに対する見方が変わったとしている。

「川辺で雑用をするために座る場所を作っただけだとしても、生活を楽にするために身の回りの環境を変えた」ことが分かると述べた。

 これは理論的な思考と、おそらく「言語」もあったことを示唆しているという。(c)AFP/Juliette Collen