【9月20日 AFP】ジンバブエ当局は18日、水を求めて多数のゾウが、国内最大のワンゲ国立公園(Hwange National Park)から隣国ボツワナに移動を始めたと発表した。

 ワンゲ国立公園は総面積1万4600平方キロ以上で、約5万頭のゾウが生息している。

 ジンバブエ公園野生動物管理当局の広報担当者はAFPに対し、「ゾウは湖や池が干上がったことから、水や餌を探している」と説明した。バファローなど園内に生息するあらゆる種類の動物も大移動を始めているという。

 移動は8月から始まった。移動したゾウの具体的な数は分からないが極めて多いとみられる。

 同広報担当者によると、近年水不足が深刻化しており、移動する動物の数が増えている。

 当局はワンゲ国立公園からボツワナに野生動物が移動するのは珍しいことではないが、気候変動の影響で移動が「早まった」と指摘する。

 野生動物が大量に移動することで、人家の近くを通る際に人間との衝突が頻発する恐れがある。

 ジンバブエ政府の統計によると、昨年は少なくとも60人がゾウに殺された。

 専門家によると、ジンバブエには世界第2位となる約10万頭のゾウが生息している。この数は、国内の国立公園の適正生息数の2倍に当たるという。

 ゾウが最も生息するのはボツワナで、約13万頭に上る。(c)AFP