【9月18日 AFP】リビアが暴風雨「ダニエル」の直撃を受け、東部デルナ(Derna)で津波のような洪水が発生して1週間となる17日、各国から到着した救助隊は活動ペースを徐々に速めて捜索を行った。

 マスクと防護服を着用した救助隊員は、損壊した建物や押しつぶされた車、倒木であふれた被災地で遺体や生存者の捜索活動を行った。

 一方で、長年内戦状態にあるリビアでは政治的な分裂によって援助活動が妨げられている。

 住まいを失った人々はデルナだけでも3万人に上っている。被災者がコレラや下痢・脱水症状、栄養失調の危険にさらされていることから、清潔な水や食料、避難所、必要最低限の物資が不可欠だと国連(UN)機関は警鐘を鳴らしている。

 東部ベンガジ(Benghazi)に拠点を置く代表議会の保健当局トップは、17日にデルナで新たに31人の遺体が収容され、これまでに確認された死者の数は3283人となったと明らかにした。

 被災地では混乱が続いており、実際の死者数は分かっていない。海に流された人も多い。

 当局や人道支援団体は、いまだ数千人が行方不明になっており、最終的な死者数は大幅に増える可能性があると警告している。

 事実、海岸には今なお大量のがれきと共に遺体が打ち上げられている。

 SNSに投稿された動画では、デルナ東方約20キロの沖合で「たぶん600人ほどの遺体」を目にしたと、ボートに乗ったリビアの救助隊が報告している。(c)AFP/Amanda Mouawad