【9月17日 AFP】自転車ロードレース、ブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana 2023)は16日、第20ステージ(マンサナレスエルレアル~グアダラマ、207.8キロ)が行われ、チーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のセップ・クス(Sepp Kuss、米国)が総合トップを維持し、大会制覇を事実上確定させた。

 今ステージでは、バーレーン・ヴィクトリアス(Bahrain Victorious)のワウト・プルス(Wout Poels、オランダ)がスダール・クイックステップ(Soudal Quick-Step)のレムコ・エベネプール(Remco Evenepoel、ベルギー)とのスプリント勝負を制して区間優勝を果たした。

 この結果、29歳のクスはグランツール(三大ツール)初制覇に向けて、17日の最終ステージを最後まで走行するだけとなった。普段はチームメートで総合2位に続くヨナス・ヴィンゲゴー(Jonas Vingegaard、デンマーク)と同3位につけるプリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)のサポート役だが、今大会では第8ステージからマイヨ・ロホ(レッドジャージー)を維持している。

 ツール・ド・フランス(Tour de France)で2連覇中のヴィンゲゴーと、通算3度のブエルタ制覇を誇り、今年のジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2023)を制しているログリッチは、チームオーダーとみられる形で、大会終盤のステージではクスの初優勝に向けて援護役に回っていた。

 最後は3人で一緒にフィニッシュラインを通過し、他の2人から手や背中をたたかれていたクスは、「すごくほっとしている。まだ最後の坂の疲れが残っている」と話しつつ、「長くて厳しい1日だった。最後の坂ではプリモシュが大いに助けてくれたし、平たんな道ではヨナスがそうしてくれた。こんなのは想像もしていなかった」と明かした。

「(一緒に勝利を喜べたのは)特別な瞬間だった。チームメート2人がいてくれて峠の最後の数キロメートルをリラックスできたのは本当にクールだ」

 クスは総合争いでヴィンゲゴーに17秒差、ログリッチに1分8秒差をつけて、サルスエラ競馬場(La Zarzuela Hippodrome)から首都マドリード中心部までの101.5キロの平たんコースを周遊する最終日に突入する。総合優勝を果たせば、米国人ではクリス・ホーナー(Chris Horner)が2013年のブエルタを制して以来のグランツール制覇となる。

 また、ユンボ・ビスマも1シーズンでグランツール3冠を達成する史上初のチームに近づいている。(c)AFP