【9月16日 AFP】リビア東部デルナ(Derna)で大規模な洪水が発生してから、約1週間となる。生存者発見の望みが薄れつつある中、援助団体は疫病流行の危険性に警鐘を鳴らしている。

 デルナでは10日夜、ハリケーン級の暴風雨の影響で上流にある2か所のダムが決壊し、洪水が発生。国家が分裂状態にあるため死者数については異なる数字が発表されているが、東部に拠点を置く代表議会の関係者は少なくとも3840人が死亡したと述べている。

 そうした中、イスラム教系慈善団体イスラミック・リリーフ(Islamic Relief)の幹部サラ・アブルガセム(Salah Aboulgasem)氏は「こうした状況下では水系が汚染され、疫病がすぐにまん延する」と警告。「街は死のにおいがしている。ほとんどの人が知り合いを亡くしている」と語った。

 一方、国境なき医師団(MSF)は、水質と衛生状態を評価するためにリビア東部にチームを派遣した。デルナを担当するMSFの医療コーディネーター、マノエル・カートン(Manoelle Carton)氏も「こうした事態においては、水系感染症が非常に懸念される」と述べた。

 だが、赤十字(Red Cross)と世界保健機関(WHO)は通説とは異なり、自然災害の犠牲者の遺体による健康リスクはほとんどないと指摘している。(c)AFP