■運転手がメッセンジャー

 目撃者がAFPに語ったところによると、ニャラでは9月3日、空軍戦闘機がRSFの基地や住宅地を空爆した。爆撃は主に首都ハルツームに限られてきたが、事態がエスカレートしていることを示している。

 人権活動家アフメド・ゴージャさんは、人々はなんとしてでも家族らの安否を確認しようとしていると話した。安全のためにニャラから避難したゴージャさん自身も、ニャラに残した家族の安否を16日間も確認することができず、なんとかダイーンにたどり着いた兄弟の1人と連絡を取り合うことができた。

「愛する人たちの消息を知らされないまま、この一瞬一瞬も、私たちは死んでいっている」と、ゴージャさんはX(旧ツイッター〈Twitter〉)に投稿した。

 スレイマン・モファッダルさんは、ゴージャさんのようにニャラに残る家族の安否を気にかける人たちがダイーンにある事務所にやってくるのを見てきた。机の上には、青いインクで名前が書かれた、きちんと折りたたまれた紙が積み上げられている。

 手紙の受取人がほんの一瞬でも携帯電話の通信が回復した場合に連絡が取れるよう電話番号が記されているものもある。

 これらの手紙はニャラに向かうタクシー運転手たちに手渡される。「ほとんどの場合、受取人はすぐに返事を書き、ドライバーに託す」とモファッダルさん。運転手たちは、爆弾や民兵が設置する検問所、雨期の豪雨によって道路が閉鎖されないよう願いつつ、帰路に就く。(c)AFP