【9月15日 AFP】フランス政府は14日、東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出について、日本政府の「透明性」を称賛した。

 仏外務省の報道官は「この作業が、最高基準の原子力安全と放射線防護を完全に順守するものにしようという日本の努力」を評価し、「特に国際原子力機関(IAEA)との共同作業において、日本のチームが示した透明性を強調したい」と付け加えた。

 海洋放出について、日本政府は安全だと主張し、IAEAもこの見解を支持している。しかし、中国は、日本が海を「下水道」のように扱っていると非難したり、日本産水産物の輸入を全面停止したりと猛反発している。

 一方、発電量の約70%を原子力が占めるフランスは、原発推進のさらなる加速に関心を持っている。温室効果ガス排出削減目標を達成する手段として、老朽化した原子炉群の交換を望んでいるが、この計画をめぐって他の欧州諸国と衝突している。

 また、他の西側諸国と同様、アジア太平洋地域で存在感を高め、中国の影響力に対抗したいとの思惑もある。

 仏シンクタンク「戦略研究財団(FRS)」の中国専門家アントワーヌ・ボンダス(Antoine Bondaz)氏はX(旧ツイッター〈Twitter〉)で、中国は海洋放出について、「前例のない虚偽情報キャンペーンを展開している」と指摘。

 さらに「中国政府が次々とうそを拡散しているのを考えれば、(日本は)より明確な支援を必要としている」とした上で、今回のフランスの声明を「必要かつ有益」だと評価した。(c)AFP