【9月12日 AFP】地中海周辺に大きな被害をもたらした嵐「ダニエル」が、北アフリカのリビア東部を襲い、その影響で発生した洪水で少なくとも150人が死亡した。地元当局が11日、発表した。

 被災地住民が撮影した映像には、大規模な土砂災害や倒壊した建物、水没した住宅地などが確認できた。

 東部ベンガジ(Benghazi)に拠点を置く代表議会首相のオサマ・ハマド(Oussama Hamad)氏は、同国情報局アルマサル(Almasar)に対し、デルナ(Derna)市だけでも「2000人以上が死亡、数千人が行方不明になっている」と述べた。ただし、この数字について医療および救急当局は確認が取れていないと指摘している。

 東部のメディアは、ハマド氏のコメントを大きく取り上げているが、被災各地から寄せられた情報を見ると、犠牲者数はこれを大きく下回っている。

 代表議会のモハメド・マスード(Mohamed Massoud)報道官はこれより前に「ダニエルの影響でデルナのアフダル山地(Jabal al-Akhdar)地域とマルジュ(Al-Marj)郊外では、豪雨と洪水により少なくとも150人が死亡した」と述べている。

 軍の支援を受けた救助隊が被災地へと向かっているが、到達困難な地域で取り残されている住民は数百人に上るとみられている。

 東部当局によると、救助活動に当たる兵士9人と連絡が取れなくなっているという。

 ギリシャ、トルコ、ブルガリアで計27人以上の死者を出したダニエルについて、専門家は、24時間降水量は「強烈」と表現した。(c)AFP