【9月12日 AFP】アルメニア軍は11日、国内で米軍との合同軍事演習を開始した。アルメニアは係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)をめぐる隣国アゼルバイジャンとの紛争で、ロシアの支援が得られないことに不満を募らせている。一方のロシアは、アルメニアは「依然同盟国」としているが、旧ソ連圏における影響力の低下が浮き彫りになった。

 米陸軍欧州・アフリカ司令部によると、演習にはアルメニア軍から約175人、米軍から約85人が参加し、20日まで行われる。アルメニア国防省は目的について、国際平和維持活動における米軍との「相互運用性の水準を高める」ことにあると説明した。

 ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)報道官はこれに対し、同国が主導する旧ソ連圏の集団安全保障条約機構(CSTO)の軍事演習には参加せず、米軍との演習を実施する決定をアルメニアが下したことについて「極めて深い分析」が必要だと述べた。

 ロシア外務省は先週、モスクワ駐在のアルメニア大使を呼び、同国の決定は「非友好的な行動」だと非難した。ただし、両国は「依然同盟国」だと強調していた。

 中央アジア問題の専門家アルカディ・ドゥブノフ(Arkady Dubnov)氏は、「(国際舞台で)弱体化しているロシアがソ連時代の裏庭での影響力を急速に失いつつある」一方で、「アルメニアは、ナゴルノカラバフ紛争およびその後の情勢をめぐり支援してくれなかったロシアに不満を募らせている」と指摘。「アルメニアとしては、新たな強力な同盟を形成しようと試みている」と語った。(c)AFP/ Mariam HARUTYUNYAN