【9月11日 AFP】スイス・チューリヒ発の旅客機が9日、乗客の預け荷物を一つも搭載せずに離陸し、目的地のスペイン・ビルバオ(Bilbao)に到着した。地元紙が翌10日、報じた。航空会社は、地上職員の不足が原因だと釈明している。

 エーデルワイス航空(Edelweiss)に代わりスイス・インターナショナル・エアラインズ(Swiss International Air Llines)が運航した同機は、9日夜にビルバオに着いた。

 スイスのドイツ語紙ブリック(Blick)によると、乗客は荷物受取所のベルトコンベヤー前で2時間以上待ったものの、預けた荷物はついに出てこなかった。

 スイス・インターナショナル・エアラインズの広報はAFPに対し、同機に乗客111人は乗せたものの、預け荷物は積まずに離陸したと認め、「地上職員が不足していた」と釈明。「1時間16分が経過しても状況が変わらなかったため、運航上の理由から荷物を搭載せずにビルバオに向けての離陸を決定した」と明かし、その理由として、ビルバオで同機に乗客を乗せて折り返し運航し、チューリヒ空港が閉まる前に到着する必要があったことを挙げた。

 ブリック紙は乗客の話として、パイロットがチューリヒでの離陸の遅れについては謝ったものの、荷物を載せていないことへの言及はなかったと伝えている。また、到着地にスイス・インターナショナル・エアラインズの職員はおらず、2時間以上待たされた後に、イベリア航空(Iberia)の職員から預け荷物が積まれていなかったことを知らされたという。乗客の一人は同紙に対し、「休暇が台無しになった」と不満を漏らした。

 スイス・インターナショナル・エアラインズ側は、預け荷物を出発地に残したまま離陸するという決定を乗客にあらかじめ通知していなかったという情報は未確認であり、「何が起きたのか正確に把握し、今後どう改善していけるかを検討するため、引き続き状況を分析中だ」としている。(c)AFP