【9月16日 CGTN Japanese】中国の科学者が初めて高山でクレーターを発見しました。これに関する成果は英文学術誌「極端条件下における物質と放射(MRE)」に掲載されました。

 地球上で見られるクレーターは小惑星などが地球に衝突したときにできた円形にくぼんだ地形で、大自然に存在する独特な事象であるだけでなく、科学者による宇宙空間研究の重要なよりどころとなります。世界中にある多くのクレーター、例えば、米国のアリゾナ大隕石孔、豪州のウルフ・クリーク・クレーターは国際的にも有名な観光地です。しかし、高山でクレーターを発見したのは、今回が初めてです。

 今回新たに発見されたクレーターは、中国東北部の吉林省(Jili)通化市(Tonghua)の南東20キロ余りにある白鶏峰国家森林公園の頂上にあり、直径は約1400メートルで、円形の縁上の最高点からクレーターの最深部までの高度差は約400メートル余り、山にぶら下がった巨大なじょうごのように見えます。

 発見者の一人で、北京高圧科学研究センターの陳鳴研究員の紹介によると、白鶏峰は主に原生代の堆積岩とジュラ紀の花崗岩などの基盤岩物質から構成され、小惑星が山頂に衝突して大きなクレーターができたことで山体が変化し、「前白鶏峰」と「後白鶏峰」の二つの新しい峰に分かれました。

 白鶏峰では、「天石」と呼ばれるあまたの岩の破片が山頂から山の斜面を覆って積み重なり、「石の滝」のような風景を作っています。これら「天石」の由来はずっと謎でしたが、今回のクレーターの発見で、「天石」は小惑星が白鶏峰に衝突した際、はじけて山体から飛び出した岩の破片だと、陳研究員はみています。

 MRE誌も、今回の発見が人類の天体衝突の歴史に対する理解を豊かにし、特殊な地形の衝突クレーター形成メカニズムや物質の衝突による変成作用の研究に斬新な視角を提供するものと評価しています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News