【9月10日 AFP】インドの首都ニューデリーで開催中の20か国・地域(G20)首脳会議(サミット)は9日、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、あらゆる国家は領土獲得のための武力行使を控えなければならないなどとする首脳宣言を採択した。ただ、ロシアを名指しして非難する文言は盛り込まれず、「情勢に対する見方や評価は分かれた」としている。

 昨年のG20サミットでは、ウクライナでの戦争を非難する文言を盛り込んだ首脳宣言が採択された。欧米諸国は今回もそうした強い姿勢を後退させないよう他の参加国に促したが、奏功しなかった形だ。

 首脳宣言についてジェイク・サリバン(Jake Sullivan)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は「満足のいく結果が得られた」と歓迎したが、ウクライナ外務省は「誇れる内容ではない」と批判した。

 一方、首脳宣言は気候変動問題に関して、再生可能エネルギーを2030年までに3倍に増やす努力目標が掲げられる一方で、石炭火力については、「各国の状況」に応じて「段階的削減」に向けた努力を加速させるとの表現にとどめた。(c)AFP