【9月7日 AFP】メキシコの最高裁判所は6日、全土において人工妊娠中絶の禁止を違憲とする判断を下した。

 中南米の保守的なカトリック教国の一つとみなされているメキシコだが、米最高裁が昨年、中絶の権利を認めた判決を覆す判断を示したのとは対照的な動きを見せている。

 メキシコ最高裁はソーシャルメディアで「連邦刑法において人工妊娠中絶を罰する法制度は、妊娠能力を持つ人の人権を侵害するものであり、違憲である」とし、事実上メキシコ全土で中絶を認めた。これにより女性たちは全国どこでも訴追を恐れずに中絶手術を受けることができるようになった。

 メキシコではかつて全国的に中絶が禁止されていたが、2007年のメキシコ市を皮切りに、これまでに32州中12州で合法化されている。

 女性の権利に関する活動家のサラ・ロベラ(Sara Lovera)氏はAFPに対し、中絶手術のできる施設が足りないことに加え、「自治体が中絶に関する広報活動を行っていないため、中絶の権利があること自体知らない女性も多い」と述べ、「だからこそ今日の最高裁の判決は重要だ」と強調した。(c)AFP