【9月1日 AFP】アイスランド政府は2か月間にわたって中止していた捕鯨について、要件と監視を厳格化した上で1日から再開できると発表した。動物愛護の観点から行っていた一時的な捕鯨禁止措置を延長しない方針だ。

 アイスランドは日本やノルウェーと並び、商業捕鯨を行う数少ない国の一つ。だが今年6月、政府委託の報告書が捕鯨は動物愛護法の要件を満たしていないと結論付けたことから、中止措置を取った。

 アイスランド食料・漁業・農業省は8月31日、AFPの取材に対し「あすから捕鯨を再開できる。ただし、漁具や捕鯨手順に関する詳細かつ厳格な要件と監視を厳格化する」と回答した。

 動物愛護団体「ヒューメイン・ソサエティー・インターナショナル(Humane Society International)」は、スバンディス・スバーバルスドッティル(Svandis Svavarsdottir)食料・漁業・農業相による8月31日の発表を「衝撃的で不可解な決定」だと非難した。

 アイスランドで現在も捕鯨を続けている企業はクバルル(Hvalur)1社のみで、同社のナガスクジラの捕獲免許は年内に失効する。

 同社は捕鯨再開についてコメントしていないが、再開を見越して既に捕鯨船を出航させたとの報道もある。

 アイスランドの捕鯨シーズンは例年、9月下旬から10月上旬までとなっている。(c)AFP