【8月30日 AFP】インド外務省は29日、中国が係争地を自国領として最新の官製地図に記載したとして、「強い抗議」を表明した。

 外務省報道官によると、中国紙・環球時報(Global Times)に掲載された2023年版「標準地図」では、北東部アルナチャルプラデシュ(Arunachal Pradesh)州と北部アクサイチン(Aksai Chin)地区が中国領とされている。

 インドはこれらの地域について自国領と主張しており、報道官は声明で「中国側のこうした行動は国境問題の解決を複雑化させるだけだ」とし、「外交チャンネルを通じて強い抗議を伝えた」と述べた。

 中国はアルナチャルプラデシュ州について、チベット自治区(Tibet Autonomous Region)の一部とみなしており、1962年には両国間で本格的な武力衝突に発展した。

 アクサイチン地区は、チベットと中国西部を結ぶ要衝。両国は同地に近いガルワン(Galwan)渓谷で2020年に衝突。インド側が20人、中国側も少なくとも4人の死者を出している。(c)AFP