【8月29日 AFP】オーストラリア人女性の脳から、通常はヘビなどに寄生する線虫が生きた状態で摘出された。この線虫が哺乳類の脳で見つかるのは初めてだという。

 女性の症例は29日、学術誌「新興感染症(Emerging Infectious Diseases)」に掲載された。

 この女性(64)は記憶障害を訴えていたため、医師らがMRI検査を行ったところ、「非定型的な病変」が発見された。脳の前部に写っていた「ひものような形」のものをDNA検査した結果、線虫「Ophidascaris robertsi」であることが分かった。長さは約8センチに上った。

 この線虫はカンガルーやカーペットニシキヘビによく見られる寄生虫だが、これまでヒトへの感染は報告されていない。

 医師らは「われわれが知る限り、人間を含め哺乳類の脳で見つかった初めてのケースでもあった」としている。

 研究者は、女性が自宅近くに自生する野草を食べ感染したとみている。野草にヘビのフンから排出された線虫の幼虫が付着していた可能性が高いという。(c)AFP