【8月28日 CNS】北京市で8月16日、ショート動画共有アプリ「抖音(Douyin)」、中国映画資料館(China Film Archive)、企業向け技術サービスプラットフォーム「火山引擎」による「時を紡ぐ-香港名作映画リマスター発表会」が開催された。抖音の陳都燁(Chen Duye)副総裁は、この場で三者が正式に「香港名作映画リマスタープロジェクト」を始動し、1年以内に100本の香港映画を4Kリマスター版にする計画を発表した。

 火山引擎が技術支援を行い、中国映画資料館とともに「AI+手作業」でのリマスター作業を行う。火山引擎の映像クラウド・アーキテクチャ・ディレクターの王悦(Wang Yue)氏は、今回同社が初めてAIGC(AI生成コンテンツ)ビジュアル・ファウンデーション・モデルを旧作映画のリマスターに応用し、リマスター効果の全面的な向上を実現したと述べた。

 現在、『武状元蘇乞兒(英題:King of Beggars)』などの最初にリマスターされた22本の映画がすでに抖音と中国の字節跳動(バイトダンス、ByteDance)傘下の動画配信プラットフォーム「西瓜視頻(iXigua)」で公開されている。今後の1年間、他の映画の4Kリマスター版も順次この二つのプラットフォームで公開される予定だ。

 中国映画資料館の張小光(Zhang Xiaoguang)副館長は、映画の修復は国際的な課題であり、その目的は絶滅危惧の映画を保護することで、映画遺産を守る重要な取り組みだった。「現在、先進技術を活用し、ようやくフィルムのデジタル保存・応用が可能になった」と述べた。今回の計画でリマスターされる香港映画は、制作時期が1970年代から1990年代に集中している。

 当時からかなりの時間が経過したが、香港名作映画は抖音で依然として活力を示している。陳都燁副総裁は、2023年、抖音の二次創作動画の再生数が上位1000に入る映画のうち、香港名作映画が30%に達し、これらのコンテンツを視聴するユーザーの半数以上は30歳以下の若者だと述べた。陳都燁副総裁は、「技術を通じてこれらの名作映画をリマスターし、現代の視聴要求に適うようにし、多くの観客に受け入れられ、楽しまれることを望んでいる」と語った。

 映画『武状元蘇乞兒』のリマスター作業には、陳嘉上(Chen Jiashang)監督の支持も得られ、色彩や光影についての技術修復の効果の面で指導した。陳嘉上監督は、「撮影当時では、調光はできても色の調整はできなかったため、現在の技術でそれを少しでも改善できるのは本当にありがたいことだ」と述べた。陳都燁副総裁は、「私たちの努力によって、記憶の中の埃を払いのけ、時を紡ぎ、香港映画の美しさを再発見できればと願っている」と述べた。(c)CNS/JCM/AFPBBNews