【8月28日 AFP】日本とペルーの考古学研究グループが、ペルーの首都リマの北方900キロにあるパコパンパ(Pacopampa)遺跡で3000年前の神官の墓を発見した。調査団のメンバーが26日、AFPに明らかにした。

 パコパンパ遺跡では、日本の国立民族学博物館(National Museum of Ethnology)とペルーの国立サンマルコス大学(National University of San Marcos)が合同で調査を行っている。

 考古学者のフアン・パブロ・ビジャヌエバ氏(Juan Pablo Villanueva)は「発見したのは最近」だとし、今回見つかった神官は「アンデス(Andes)で最初の神官の一人」で、墓は「埋葬された時から手付かず」だと話した。

 墓は直径3メートルの円形で、深さ1メートル。遺骨は、下肢の一部を曲げた姿勢で埋葬されていた。遺骨と供物は、少なくとも6層の灰と土で覆われ、墓の西側からは小さな陶器の鉢や、骨を彫ったへら状の道具の他、人の顔やジャガーの顔が施された印章も二つ発掘されたという。

 この遺跡で18年にわたり調査に携わってきた考古学者、関雄二(Yuji Seki)氏はAFPに対し、アンデス北部の寺院を統括し始めた最初の神官の一人とみられ、今回の発見は非常に重要だと指摘した。

 研究者の間では、墓の主は紀元前1000年ごろの神官とみられている。関氏は、有力な指導者がこの時代に既にアンデスにいたことを示す証拠になると語った。

 調査団は昨年9月にも、「プトゥトスの神官(Priest of the Pututos)」と呼ばれる宗教指導者の3000年以上前の墓を発見している。(c)AFP/Carlos MANDUJANO