【8月24日 AFP】スリランカで22日、仏教の祭りで興奮したゾウが暴走し、逃げた観客数十人が湖に飛び込んだ。警察が23日、発表した。

 スリランカ中部の巡礼地キャンディ(Kandy)で開催された恒例の祭り「エサラ・ペラヘラ(Esala Perahera)」で、パレードに出演するために飾られたゾウ5頭が暴走。踏みつけられないようにと逃げた観客が湖に飛び込み、少なくとも女性1人が入院したほか、多数が負傷した。パレードは暴走したゾウを鎖でつないで再開された。

 ソーシャル・メディアに投稿された動画には、飾りを振り払った1頭のゾウが通りを突進し、数人のゾウ使いが追い掛ける様子が映っていた。

 このパレードは30日まで毎晩続き、最後にブッダの歯が納められているとされるひつぎを1頭のゾウが背に乗せて運び終わる。

 何世紀も続く祭りだが、近年は動物虐待の疑いがあるとして批判を浴びている。動物愛護団体RAREは「ゾウは炎と大音響、灼熱(しゃくねつ)の中、足かせをはめられて歩かされている」と非難している。

 スリランカでゾウは神聖視されているが、動物虐待に関する法律はほとんど施行されていない。2019年にはコロンボの寺院で行われた祭りでやはりゾウが暴れ、少なくとも17人が負傷した。(c)AFP