【8月23日 AFP】韓国で23日、市民を対象とした防衛訓練が6年ぶりに行われた。首都ソウル中心部に空襲警報が鳴り響き、当局は車を止め、歩行者を地下シェルターに誘導した。

 内務省は「北朝鮮のミサイルを用いた挑発など、空襲の際に迅速に避難できるよう備える」ことが目的だと説明した。

 訓練への参加は任意で、午後2時から約20分間続いた。各地でサイレンが鳴り響き、歩行者は最寄りのシェルターや地下施設に行くよう指示を受けた。同国内には約1万7000か所に指定シェルターが設けられている。

 北朝鮮に近い地域では、ガスマスクの着用や食料の緊急配給など、化学・生物・核兵器の使用を想定したより本格的な訓練が行われた。

 ある参加者は「北朝鮮兵が突然侵攻してきた場合、混乱に陥れば犠牲者の増加につながる。だからしっかり訓練しておく必要がある」と話した。

 市民向けの防衛訓練は、1968年の北朝鮮ゲリラによる大統領府襲撃未遂事件を受け、翌69年に始まった。2017年以降は南北関係の改善で中断され、その後も新型コロナウイルスの流行を受け中止されたままとなっていた。

 今年5月には、北朝鮮のロケット打ち上げをめぐり市民に緊急避難を呼び掛けるメッセージが誤配信され、パニックが広がる事態となった。(c)AFP