【8月22日 AFP】タイのタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相(74)が22日、15年ぶりに帰国したことを受けて、「赤シャツ」として知られるタクシン氏の支持者らは「英雄」の帰国に沸いた。

 今でも同氏が根強い人気を誇るイサーン(東北地方)から数百人が夜通し移動し、首都バンコクに集まった。

 パニー・ロットンさん(57)は夜行バスで北部チェンマイ(Chiang Mai)から来た。「ただ(タクシン氏の)顔が見たかった」とAFPに話した。パニーさんの後ろには「私たちの心の首相」「祖国へお帰り」と書かれたボードが掲げられていた。

 パニーさんと一緒に夜行バスで来たというチャワン・ゲーウシリさん(74)は、タクシン氏がクーデターで失脚した後再選挙を求め、2009~10年にバンコクを埋め尽くした数千人の赤シャツ軍団の一人だった。抗議活動は最終的に軍により制圧され、100人近くが死亡した。

 タクシン氏が到着したドンムアン国際空港(Don Mueang Airport)の外にはパンケーキやアイスクリームの屋台も登場した。2台のトラックに積まれた特大スピーカーからは赤シャツの歌が流れていた。

 タクシン氏の飛行機が到着したとの知らせを聞くと、人々は歓声を上げ、歌を歌った。同氏が移送された最高裁判所前にも支持者らが集まり、叫び声を上げていた。

 ポーンさん(74)はAFPに対し、タクシン氏が「大好き」だと語った。「子どもたちは私の身の安全を心配して外に出してくれなかったので、こっそり来た」という。同氏の年齢を考えると、当局は恩赦を与えるべきだと訴えた。

 市内では、タクシン氏が乗っていた飛行機の便名や車のナンバーなど、帰国にちなんだ番号の宝くじが売り切れたと報じられている。(c)AFP/Rose Troup Buchanan and Montira Rungjirajittranon