【8月21日 AFP】イランで、犬にマンションを売却する動画が拡散し、関与した不動産業者の身柄が拘束された。当局が20日、明らかにした。

 先週末注目を集めたこの動画には、ある夫婦が所有するマンションの所有権を、ペットの犬に移転する契約を締結する様子が映っていた。

 白い小型犬の「チェスター」は、飼い主の手を借りて肉球にインクをつけ、契約書に押印。飼い主は「相続人がいないので、マンションを犬に売却したいと考えた」と説明していた。

 司法府の公式ニュースサイト「ミザン・オンライン(Mizan Online)」は検察の話として、「警察が19日、不動産会社の責任者を拘束し、事業所を閉鎖した」と伝えた。検察は問題の売買について、「社会の道徳的価値観を損なおうとする行為」であり、「法的効力はない」としている。

 イランには犬の所有を禁じる法律はなく、犬や猫をペットとして飼う人が増えている。しかし、多くのイスラム教国同様、イランでも犬は不浄と見なされ、保守的な宗教指導者は犬をペットとして飼わないよう促している。(c)AFP