【8月20日 AFP】オランダ・ハーグ(The Hague)のトルコ大使館前で18日、極右の活動家がデモを行い、イスラム教の聖典コーラン(Koran)を踏みつけたり破ったりした。周辺には抗議のため数十人が集まっており、一部が石を投げるなどした。

 オランダ政府はデモについて、開催前から非難する一方、阻止する法的権限はないと説明していた。

 AFP記者が確認したところによると、デモを行ったのは、極右団体「西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人(PEGIDA、ペギーダ)」のオランダ支部長を務めるエドウィン・ワーゲンスフェルド(Edwin Wagensveld)氏。他に2人が同行していた。

 トルコ大使館のある通りは警察によって立ち入りを禁止されていたが、カウンターデモ隊約50人が集まった。

 コーランのページを破られると、ワーゲンスフェルド氏に向かって投石を始める人もいた。ワーゲンスフェルド氏が立ち去る際、同氏を追いかけようとする人もいたため、盾や警棒を手にした警官隊約20人が介入した。

 トルコ出身のディラン・イェジルゲス(Dilan Yesilgoz)司法・安全相は18日朝、デモに先立ちコーランを毀損(きそん)する計画について「極めて原始的で情けない」と非難する一方、こうしたデモは法律で許可されていると説明した。

 ワーゲンスフェルド氏は今年1月、議会前で同様のデモを行い、コーランをナチス・ドイツ(Nazi)総統、アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の著書「わが闘争(Mein Kampf)」になぞらえ、ページを破り捨てた。ワーゲンスフェルド氏が18日に着ていたTシャツにも、同様の主張が書かれていた。(c)AFP