【8月20日 AFP】イタリア陸軍の現役将校が自著で同性愛者らに対する差別的な主張をしたとして、同国内で物議をかもしている。グイド・クロセット(Guido Crosetto)国防相は17日、懲戒処分を検討すると表明した。

 問題の将校はロベルト・バナッチ(Roberto Vannacci)大将(54)。アフガニスタンやイラクで従軍経験があり、現在は軍事地理研究所の所長を務めている。

 バナッチ氏は今月、軍当局に報告せず、「逆行する世界(The World Backwards)」と題する書籍を米小売り・IT大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)を通じて自費出版。その中で、同性愛者は「正常」ではないと主張。また、フェミニストや環境保護活動家、有色人種、移民を念頭に、「少数者による専制」に反対する姿勢を示した。

 黒人の女子バレー選手、パオラ・エゴヌ(Paola Egonu)さんについては、「イタリア国籍を持っているが、彼女がイタリア人らしくないのは明らかだ」と記述している。

 クロセット国防相は声明で、バナッチ氏の著書について「個人的な見解を示したもの」と指摘。ただし、「軍および国防、憲法をおとしめた」とし、懲戒処分を検討するための調査に着手すると言明した。(c)AFP