【8月19日 AFP】英国の看護師が勤務していた病院で新生児7人を殺害した事件で18日、被告に対し有罪の評決が言い渡された。

 ルーシー・レトビー(Lucy Letby)被告(33)は2015年6月から翌16年6月にかけて、イングランド北西部にあるチェスター伯爵夫人病院(Countess of Chester Hospital)の新生児室で相次いだ子どもの死をめぐり逮捕された。

 被告は未熟児や疾患のある新生児に対し、空気を注射する、ミルクを過剰に飲ませる、インスリンを投与するなどさまざまな手口で殺害。検察側は「痕跡をほとんど残さない」殺害方法を用いており「計算高い」と表現した。

 レトビー被告は犯行を否認し続けており、18日は出廷しなかった。量刑は21日に言い渡される予定だが、出廷しないと弁護士に語ったとされる。

 警察はチェスター伯爵夫人病院以外に、被告が2012~16年に勤務していたリバプール・ウィメンズ病院(Liverpool Women's Hospital)でも、被告の在職期間に新生児室に入院した子ども4000人以上について調査している。

 一方、政府は独立調査の開始を発表。病院経営陣が医師らによる懸念にどう対処したか調査するとしている。

 レトビー被告の事件は、英国史上有名な医療関係者による二つの殺人事件を思い出させる。

 2004年に刑務所で首を吊って自殺した開業医のハロルド・シップマン(Harold Shipman)受刑者は、15人の患者を殺害し有罪となった。しかし、後の公開調査によって、1971~98年に約250人の患者を致死量のモルヒネ注射で殺害したと結論付けられた。


 また「死の天使」と呼ばれた看護師のビバリー・アリット(Beverley Allitt)受刑者は1993年、入院していた子ども4人を殺害した罪などで終身刑となっている。(c)AFP/Helen ROWE/ Anastasia CLARK