【8月18日 AFP】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は18日、ギャング絡みの暴力事件がまん延するハイチで、今年に入ってからの死者がすでに2400人以上に上ったと報告した。うち350人超が、地元住民や自警団のリンチ(私刑)による死者だという。

 首都ポルトープランスでは、今週だけで住民30人が死亡、10人超が負傷した。

 OHCHRのラビナ・シャムダサニ(Ravina Shamdasani)報道官はスイス・ジュネーブで行った記者会見で、「今年1月1日~8月15日に、少なくとも2439人が殺害され、902人が負傷した。また、951人が拉致された」と明らかにした。

 その上でシャムダサニ氏は、ギャングの暴力に対する怒りが膨れ上がり、私刑団や自警団が増え、さらなる暴力を生んでいると警告した。

 同氏によると、「4月24日~8月中旬に、地元住民や自警団のリンチを受けた人は350人超」で、うち310人がギャング構成員、1人は警察官で、それ以外は一般市民だった。

 ポルトープランスでは、約80%がギャングの支配下に置かれている。拠点の一つとなっているカルフールフォイユ(Carrefour-Feuilles)地区では、身代金目的の誘拐やカージャック、レイプ、武装強盗などが頻発しており、当局の話では、暴力から逃れるためここ数日で約5000人が避難したという。(c)AFP