【8月15日 AFP】世界第2位の経済大国・中国の国家統計局(NBS)は15日、若年失業率の公表を停止すると発表した。

 中国ではこのところ、新型コロナウイルス流行後の景気回復の鈍化を示す統計が次々に発表されている。6月の雇用統計では、16~24歳の失業率が過去最高の21.3%を記録した。

 国家統計局は「年齢層で分けた失業率は公表しない」と発表し、「労働力調査統計のさらなる改善と最適化」が必要だと説明した。「8月から、全国都市部での若年失業率や年齢別失業率の公表を一時停止する」という。

 国全体の失業率は6月の5.2%から、7月は5.3%に上昇している。

 同日発表された7月の経済指標は軒並み低調。消費状況を表す小売売上高は6月の前年同月比3.1%増から2.5%増と減速した。工業生産も前年同月比3.7%増と、6月の4.4%増を下回った。

 また、中国人民銀行(中央銀行)も同日、市中銀行へ資金を供給するための中期貸出制度(MLF)の1年物金利を2.65%から2.5%に引き下げた。

 野村証券(Nomura)の中国エコノミスト、陸挺(Ting Lu)氏は、若者の雇用統計の発表停止により「世界の投資家の中国に対する信頼がさらに低下する可能性がある」とコメントした。(c)AFP