【8月11日 AFP】ニュージーランドの保安情報局(NZSIS)は11日、スパイ・干渉行為を行っているとして中国を非難した。NZは通常、最大の貿易相手国である中国に対する批判を控える傾向があり、このように断言するのはまれ。

 保安情報局は機密指定が解除された「脅威評価」報告書で、アジア太平洋地域での戦略的対立により、中国の「自信に満ちた態度」が加速されており、域内において米国とその同盟国を抑え込もうとしてると指摘した。

 報告書によると、中国の情報機関はNZに定住した中国系コミュニティーを継続的に監視している。

「ニュージーランドに干渉する国家は少ないが、一部の国は持続的に行っており深刻な損害をもたらす恐れがある」としている。

 NZは、機密情報共有の枠組み「ファイブアイズ(Five Eyes)」の構成国。ファイブアイズにはほかに、米、英、加、豪が参加している。

 だがNZ政府はこれまで、同盟国の安全保障よりも貿易を優先し、中国に融和的な姿勢を取っていると批判されてきた。

 報告書では中国以外にも、スパイ活動を行っている国としてイランとロシアも名指ししている。

 イランはNZ国内の「反体制グループ」を監視していると指摘。一方、ロシアは偽情報を拡散しており、信じ始めているNZもいるとしている。(c)AFP