【8月10日 AFP】トルコのみが国家承認する北キプロス・トルコ共和国のエルシン・タタル(Ersin Tatar)大統領は9日、同国にロシアが領事館を開設することが決まったと発表した。

 1974年、ギリシャの支援を受けた武装勢力がクーデターを企てたのを機に、トルコ軍がトルコ系住民保護を名目に侵攻し、キプロス(Cyprus)島の北側、約3分の1を占領した。以来、同島は北キプロスと南部のキプロス共和国とに分断されている。トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、北キプロスを国家承認するよう改めて国際社会に働き掛けている。

 タタル氏は地元紙Gundem Kibrisに「(ロシア側が)領事館開設に向けて動き始めている。英国も既に領事館を設置済みなので、ロシアが同様のことをしてもわれわれにとっては何の問題もない」「ここには多くのロシア人が住んでいるので、領事館を開設してもおかしいことではない」と述べた。

 北キプロスのタフシン・エルトゥールルオール(Tahsin Ertugruloglu)外相はトルコ国営放送TRTハベル(TRT Haber)に対し、「ロシアは領事館を開設し、自国民に領事サービスを提供することを希望している」「ただし、これを北キプロス・トルコ共和国を国家承認したものと解釈されるべきではない」と語った。(c)AFP