【8月9日 AFP】先月56歳で亡くなった世界的歌手シネイド・オコナー(Sinead O’Connor)さんの葬儀が8日、アイルランド・ブネイ(Bray)で行われ、家族や友人らが参列した。その後、オコナーさんのひつぎは霊きゅう車に乗せられ、以前住んでいた家などゆかりの地を通過しながら埋葬地に向かった。

 首都ダブリンから南に20キロ離れたブネイは、オコナーさんが生前15年間暮らした場所。愛着を持っていたとされ、葬列は一般の人に最後のお別れの機会を提供したいとする家族の希望により行われた。

 沿道には大勢のファンが詰めかけ最後の別れを告げた。以前住んでいた自宅前には花が手向けられた。

 葬儀にはアイルランドのロックバンド「U2」のボーカル、ボノ(Bono)さんのほか、マイケル・ヒギンズ(Michael Higgins)大統領、レオ・バラッカー(Leo Varadkar)首相らが参列した。活動家でポップ歌手のボブ・ゲドルフ(Bob Geldof)さんは葬列にも加わった。

 オコナーさんは1992年、米人気コメディー番組「サタデー・ナイト・ライブ(Saturday Night Live)」で児童虐待への抗議として、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世(John Paul II)の写真を破り捨て、大きな批判を巻き起こした。

 葬列を見守っていた女性(73)はAFPに「素晴らしいミュージシャン、シンガーだった。不正に声を上げることも教えてくれた」と述べた。

 オコナーさんの死去が報じられると、ミュージシャンや政治指導者らから追悼が寄せられた。歌手のアニー・レノックス(Annie Lennox)さんは、オコナーさんは「雌ライオンで、子羊だった」とコメントした。

 事務所によると、オコナーさんは新作を手掛けていたとされる。また、ツアーの他、自伝「Remeberings(原題)」を基にした映画も計画中だったという。(c)AFP/ Callum PATON