【8月8日 AFP】ブライダルショップの花の看板、「喜」と言う漢字を二つ並べた双喜紋、青色のトビトカゲ──安全上の理由から撤去されたネオンサインの展覧会が、香港市内で開催されている。

 展覧会はネオンサインの保護を手掛けるNGO「テトラ・ネオン・エクスチェンジ(TNX)」が企画した。会場となっているのは警察署跡地を利用して造られたアートスペース「大館(Tai Kwun)」で、会期は9月3日まで。

 チャイナドレスを着て展示を訪れた学生(18)は、「こうしたネオンはどんどん少なくなっている。ここに来て写真を撮ることで、自分の中に思い出を残したかった」と話した。

 TNXは、消えゆくネオンサインの保護活動に対する人々の意識を高めたいとしている。TNXのカーディン・チャンさんは、展覧会によって「ネオンサインの消滅を遅らせることができれば」と語った。

 一方、九龍(Kowloon)では6日、老舗レストラン「太平館餐廳(Tai Ping Koon Restaurant)」のネオンサインの撤去作業が進められていた。

 太平館餐廳の5代目店主、アンドルー・チュイさんは、ネオンサインは1964年に設置されたもので、記録されているものとしては市内で最古のものだと語った。

「ネオンサインが設置された日のことを今でも覚えている。祖父とここで、歴史的瞬間を見ていた」「きょうは、息子がここで撤去を見守ることになっている」

 チュイさんは店に新たに小さなネオンサインを設置しようと考えており、香港政府に申請中だ。

「ネオンサインは香港文化の一部だ。この伝統をできるだけ長く守りたい」 (c)AFP