【8月5日 AFP】韓国で開催中の「世界スカウトジャンボリー(World Scout Jamboree)」で、米国と英国の派遣団が酷暑を理由に会場から撤収した。主催者が会期短縮を検討する中、キャンプ場の悲惨な状況を伝える報道もある。

 全羅北道(North Jeolla Province)で開催中のジャンボリーには約4万3000人が参加しているが、猛暑による体調不良者が続出し、韓国政府は軍医を派遣し、全力を挙げて対応に当たると明言している。

 韓国政府はエアコン付きのバスと冷凍冷蔵車の提供も約束したが、英国の派遣団は4日、猛暑と現場の状況を懸念し、撤収を決定。米国の派遣団も5日に撤収を発表した。米当局者によれば、ソウル南方の平沢(Pyeongtaek)にある米軍のハンフリーズ基地(Camp Humphreys)に移る。

 世界スカウト機構(World Organization of the Scout Movement)は韓国に対し、記録的な猛暑に見舞われている同国での開催による問題点を指摘し、8月12日までとなっている会期の短縮を要請した。しかし、韓国政府は予定通り開催し、「酷暑による問題に対処するため、最善を尽くすことを保証する」と回答したという。

 関係者がAFPに明らかにしたところによると、全参加国の代表が5日に会合を開き、今後の方針を決定する。

 しかし、地元メディアによれば、問題は暑さにとどまらない。キャンプ場の劣悪な環境や簡素過ぎるシャワーやトイレなど、衛生環境は「理想的とは言い難く」、参加者は虫刺されにも悩まされているという。(c)AFP