【8月2日 AFP】パキスタン当局は1日、南西部でポリオワクチン接種チームの警護に当たっていた警官2人が銃撃を受け死亡したと明らかにした。パキスタンでは、ポリオ根絶の取り組みを標的とした襲撃が相次いでいる。

 ポリオには有効なワクチンがあるが、パキスタンとアフガニスタンでは依然として流行している。

 パキスタンではイスラム教の急進右派が、ワクチン接種はイスラム教徒を不妊にさせようとする西側の陰謀との主張を拡散しており、ワクチン接種会場の警備に当たる警官が反政府組織の標的となってきた。

 警察によると、事件が発生したのはバルチスタン(Balochistan)州の州都クエッタ(Quetta)ナワキリ(Nawa Killi)地区。警官らは子どもたちにワクチン接種をしていた女性2人の警護に当たっていたところ、バイクに乗った男2人に銃撃された。

 女性2人は接種会場となっていた屋内におり無事だった。警官らはその場で死亡が確認された。

 地元警察によると警官2人は、歴史的に阻害されてきたイスラム教シーア派(Shiite)少数民族ハザラ(Hazara)人だった。当局はワクチン接種関連だけではなく、宗派対立の可能性も視野に入れ捜査を進めている。(c)AFP