【7月27日 AFP】チュニジア憲兵隊は27日、今年前半の半年間に船で欧州を目指したものの自国沖で水死した移民が約800人に上ったと、AFPに明らかにした。

 同隊報道官は「789人の遺体が海で収容された。うち102人がチュニジア人で、これ以外は外国人と身元不明者だ」と述べた。さらに3万4000人超が救助されたとしている。

 アフリカ北部のチュニジアは、欧州でのより良い生活を夢見て危険な航海に挑む不法移民と亡命希望者の主な出発点となっている。欧州に最も近いスファクス(Sfax)近郊からイタリアのランペドゥーザ(Lampedusa)島まで、約130キロしか離れていない。

 同報道官によると、1月1日から6月20日までの間に移民3万4290人が渡航を阻止され、救助された。前年同期の9217人に比べて大幅増となった。救助された移民のうち、3万人以上が外国人で、サハラ(Sahara)以南出身者が大半だったという。

 一方イタリア政府は、今年これまでに8万人以上が地中海経由で自国沿岸にたどり着き、チュニジア人とリビア人が大半を占めたと発表している。

 地中海中部は、移民にとって世界で最も危険なルートとなっている。国際移住機関(IOM)によると、 2014年以降、2万人以上が命を落としている。(c)AFP