【7月27日 AFP】オランダ沖で26日、正栄汽船(Shoei Kisen Kaisha)が所有する自動車運搬船で火災が発生し、1人が死亡した。積み荷の電気自動車(EV)が出火原因とみられる。鎮火までに数日かかる見込みで、周辺の自然環境に悪影響が及ぶ恐れがある。

 火災が起きたのはパナマ船籍の「フリマントル・ハイウエー(Fremantle Highway)」。正栄汽船によると、シンガポールに向かう途中だった。

 同社はオランダの公共放送NOSに対し、「電気自動車から出火した可能性が高い」とする一方、最終的な出火原因については調査結果を待っていると説明した。船には車両3000台が積載されており、うち約25台がEVだったという。

 公共事業局は同日、えい航や救助活動は鎮火後になると述べた。

 沿岸警備隊によると乗組員23人は避難したが、うち1人が死亡、数人が負傷した。

 火災現場は、オランダ、デンマーク、ドイツ周辺の沿岸に広がるワッデン(Waddensee)海に近い。ワッデン海は国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に登録されており、1万種を超える水生・陸生生物が生息する。(c)AFP