【7月26日 AFP】オーストラリアのジョン・ハワード(John Howard)元首相(84)が、26日の現地紙のインタビューで、英国による植民地化はオーストラリアに起こった「最も幸運な出来事」だったと主張した。

 オーストラリアでは、先住民に影響を与える法律の制定時に、アボリジニとトレス海峡諸島(Torres Strait Islands)の先住民に意見を聞くことを盛り込んだ憲法改正の是非を問う国民投票が年内に行われる。

 1996~2007年まで首相を務めたハワード氏は、現地紙オーストラリアン(The Australian)とのインタビューで、この国民投票について「大失敗すると思う」とし、先住民の発言権を強めることの是非を議論の中心にすべきではないと指摘した。

 代わりに「アボリジニの人々を引き上げる方法や、共同体の中心に据える方法を話し合うべきだ」と述べた。

 賠償や合意を交わすことには否定的で、特に合意については「憲法に矛盾する」と一蹴した。

 さらに「英国人に植民地化されたことは、この国に起きた最も幸運な出来事だったと考える」と主張。「彼らが完ぺきだったとは決して言えないが、欧州の他の国々とは比較にならないほどの成功を収めた、有益な入植者だった」と続けた。(c)AFP