【7月22日 AFP】米国を代表する昔ながらのクルーナー(ソフトな発声で歌う歌手)として70年以上活躍してきたトニー・ベネット(Tony Bennett)さんが21日、ニューヨークで死去した。96歳。広報担当者が発表した。死因は公表されていない。

 ベネットさんは1951年の「ビコーズ・オブ・ユー(Because of You)」で頭角を現し、グラミー賞(Grammy Awards)2部門を受賞した代表曲「霧のサンフランシスコ(I Left My Heart in San Francisco)」など数々の曲でヒットを飛ばした。

 2016年からアルツハイマー病を患っていたが、広報がツイッター(Twitter)の公式アカウントで明らかにしたところによると、「先日もピアノの前で歌っていた」という。

 88歳だった2014年には、レディー・ガガ(Lady Gaga)さんとデュエット・アルバムを共作し、全米アルバム・チャートの1位を史上最高齢で獲得。交友を深めたガガさんとはツアーも行った。この他、2011年に27歳で亡くなったエイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)さんら、若手アーティストとも次々にコラボレーションした。

 英歌手エルトン・ジョン(Elton John)さんはインスタグラム(Instagram)で「歌手として、人として、パフォーマーとして、誰よりもエレガントで、掛け替えのない存在。彼のことを敬愛していた」としのんだ。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は妻のジル(Jill Biden)氏と共に、「70年以上にわたり、トニー・ベネットは伝統的な名曲を歌い続けただけではなく、彼自身が米国の伝統だった」と賛辞を送るとともに、「喜び」をもたらす「時代を超えたアーティスト」だったとして家族やファンに哀悼の意を表した。(c)AFP