【7月21日 AFP】米ニューヨーク市のエリック・アダムズ(Eric Adams)市長は19日、同市には移民をこれ以上受け入れる余地はないと述べ、メキシコとの国境付近で同市以外の場所へ行くよう移民に促すチラシを配布する方針を発表した。

 アダムズ市長は会見を開き「グラスはあふれんばかりだ。もはや、わが市には受け入れる余地がない」と述べた。

 米国ではテキサス州など共和党が主導権を握る州が、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領の移民政策に抗議する目的で、民主党が主導権を握る地域に移民を送っている。

 ニューヨークでは昨年4月以来、主に中南米からの移民9万人以上が到着し、市のサービスは限界に達している。当局によると現在市の保護を受け、シェルターやホテルで暮らしている約10万6000人のうち、約5万4000人が移民となっている。

 市当局はメキシコ国境で配布するチラシを英語とスペイン語で用意。ニューヨークの住宅費は「非常に高額」で、食費や交通費などの生活費も「米国で最も高い」と警告するという。

 チラシには「今後到着する移民にシェルターやサービスを提供できる保証はない」「米国で移住先を決める際には、他の都市を検討してください」とも書かれている。

 アダムズ市長は「国境での現実を直視してほしい。(こうした警告は本来)連邦政府がすべきことだ」と述べた。(c)AFP