【7月19日 AFP】アフリカから移送されたチーターを最初に受け入れたインド中部マディヤプラデシュ(Madhya Pradesh)州の森林当局は17日、野生生物担当のトップを解任したと発表した。再導入されたチーターはこれまでに、8頭死んでいる。

 チーターの再導入は、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相が推進する計画の一部。

 インドにはかつてアジアチーターが生息していたが、1952年に絶滅が宣言された。2020年に最高裁判所がチーターの再導入を認める判断を下して以来、向こう10年で約100頭のチーターの再導入を目指し、南アフリカから12頭、ナミビアから8頭が移送された。

 解任されたのは、マディヤプラデシュ州森林当局の野生生物担当のトップ、ジャスビル・シン・チョウハン(Jasbir Singh Chauhan)氏。理由は明らかにされていない。

 国内メディアは情報筋の話として、再導入計画のプロジェクト管理に懸念があり、解任はチーターが死んだことと関連していると報じている。

 死んだチーター8頭のうち、5頭が移送されてきたもので、残りは移送後に生まれた子ども4頭のうちの3頭だった。このことから専門家の間で、再導入計画の実行可能性に再び懸念が広がっている。

 森林当局を管轄する環境・森林・気候変動省は16日、「チーターの再導入は長期的な計画のため」成功か失敗かを宣言するのは時期尚早だとコメント。南アフリカなど世界の再導入計画を例に挙げ、初期段階では死亡率が50%以上に達していると説明した。(c)AFP