【7月19日 AFP】オランダのデンボス(Den Bosch)地裁は18日、「自殺キット」を販売した男に禁錮刑を言い渡した。検察の主張によれば、少なくとも10人の死亡につながった。

 アレックス・S被告(30)は2018年以降、致死性の混合薬のパッケージ「ポーションX」1600個をオンラインで販売した。

 オランダで安楽死は合法だが、医師の厳重な監督下以外では認められていない。自殺用の薬剤を大規模に供給して起訴されたのは同国初だという。

 判事は「被告は他者の命を非常に軽く扱い、人命の価値そのものを損ねた」「それにより、適切な注意条件が多数設けられているオランダの安楽死の慣例も損ねた」と指摘した。

 判事によれば、「ポーションX」には、被告が国外で購入したとされる、解毒剤のない「致死量」のカプセルが2、3個入っていた。パッケージには、嘔吐(おうと)を抑制する薬も含まれていた。

 判事は、薬剤を服用した全員が安楽な死を迎えたわけではないと指摘している。(c)AFP