【7月16日 AFP】イタリア政府はこのほど、フランスのルーブル美術館(Louvre Museum)に対し、略奪が疑われる古美術品7点の返還を要求した。同美術館が14日、明らかにした。

 仏紙ルモンド(Le Monde)が美術館広報の話として伝えたところによると、イタリアのジェンナーロ・サンジュリアーノ(Gennaro Sangiuliano)文化相が今年2月にフランスを訪問した際、返還を求める書簡を手渡した。

 返還を求めている7点は1980年代~90年代にルーブルに売却されたもので、アンフォラ(かめ)や古代ギリシャの花瓶など、紀元前4~6世紀の作品が含まれる。これらは、古美術品の密売で有罪判決を受けたり、密売の容疑が掛けられたりしているイタリア人古美術商により取引されたものだという。

 ローランス・デカール(Laurence des Cars)館長はルモンドに「来歴が疑わしい作品はルーブルのコレクションにとって汚点だ」とし、「厳重かつ透明性を持って調査しなければならない」と述べた。

 現在、該当作品については調査中で、年内に返還される可能性もあるという。(c)AFP