■「いつも恐ろしい」

 州当局は2008年、炭鉱に住む人々を移住させ始めたが、移住すれば仕事がなくなると口にする人も多い。

 スシラ・デビさんは4年前、石炭採掘中の崩落事故で当時15歳だった娘のチャンダ・クマリさんを亡くした。それでもデビさんは、ここにとどまらざるを得ないと話す。

「私も同じ運命をたどるのかといつも恐ろしいが、どうにもできない」。デビさんの収入は、過酷な労働にもかかわらず1日6ドル(約850円)ほど。「働かないで、どうやって食べていけばいいというのか」と訴える。

 労働組合のジャー氏は他に選択肢がないなら、違法労働者は炭鉱で働き続けると指摘する。

「重要なのは生活だ」「政府が(職を提供)できないのなら、自然が与えてくれるものでやっていくしかない」

 炭鉱にとどまり続ける人のため、ピナキ・ロイ(Pinaki Roy)さん(55)はNGO「炭鉱の子どもたちの教室(Coalfield Children Classes)」を開設した。炭鉱で働く子どもたちに英語やコンピューター、芸術を教えている。

 ロイさんによると、最後に使っていた教室は爆発で破壊され、代わりの教室も壁に大きな亀裂が入っているため、すぐ倒壊する恐れがある。

「あの子たちは石炭以外を知らない」と、ロイさんはダンスの練習をする少女らを指さして言った。「世界には他にもっとたくさんのものがあるということを、あの子たちに見せてあげたい」 (c)AFP/Abhaya SRIVASTAVA