【7月13日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は12日、リトアニアの首都ビリニュスで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議閉幕後、NATO東京事務所を開設する案について、改めて反対の立場を示した。一方、イェンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長は、設置案は依然、検討課題だと述べた。

 マクロン氏は「インド太平洋は北大西洋ではない」と指摘。「NATOは域外(での活動)に正当性を持たせようとしたり、地理的なプレゼンスを築こうとしたりしているとの印象を与えるべきではない」と語った。

 これに対しストルテンベルグ事務総長は、岸田文雄(Fumio Kishida)首相と会談後、日本とはサイバー防衛や海洋安全保障の分野で協力を深化させていきたいとし、東京事務所についても設置案は残っていると述べた。

 日本のほか韓国、オーストラリア、ニュージーランドの「アジア太平洋パートナー国」を昨年に続き首脳会議に招いたことに関しては、「安全保障とは地域安保のことではなく、世界の安保のことであり、協力し合わなければならない」と説明した。

 また、「中国はNATO圏を射程に収めるミサイルに搭載する核弾頭を2035年までに1500発保有すると予想している」とした上で、「NATOは世界規模の軍事同盟になろうとしているわけではない。中国の台頭を含む世界の課題にNATO圏が直面していると認識することが重要だ」と語った。(c)AFP